2012年07月08日

創立記念日礼拝説教 「渡って来てください」

2012年7月8日 (創立64周年記念日礼拝)の説教
使徒言行録16章6〜10節
相模原教会牧師 辻川篤

 教会が行う「創立記念日礼拝」は、六十四年間伝道し続けてきたことへの感謝の礼拝であり、また新たに次の一年に向かって「主よ、我らを守り給え」と祈り合う日でもあります。

 パウロが、第二回の伝道旅行に出発しました。そのとき出発地のアンティオキア教会で、彼は伝道計画を立てます、「折角、主イエスのことを伝えるのだから、大都市で語るのが、効率的だろう」と。でもそこへは、神様から「に行くな」と止められたのです。彼は「それならば」と計画を変更して、でもやっぱり大き目の町を目指して進み始めたのです。しかし、でした。またしても止められたのです。もう彼は途方に暮れてトボトボと行くしかない。そしてついに小さな海岸の町トロアスに出たのです。八節には、「トロアスに下った」とありましたが、パウロのこの時の思いからするなら、「とうとうこんな所まで落ちて来てしまった」という思いであったに違いないのです。彼はトロアスの港で、「こんな所で何ができるんだ」とたたずんでいたのです。

 パウロは、「神様の御用のために出発したのに、どうして支えてくれないのか」との思いが、心の底にあったのではないでしょうか。ある説教者が、彼のこの時の心を探って、こう記していました「彼は一つも思い通りに進まなかった」と。彼は、「自分の計画がうまく進むことが、神の計画に生きている姿だ」と思っていました。でも、むしろ、彼が挫折しもう限界だと行き詰まり、百l自分の思い通りであることがゼロになる、そのことが神の御心であったのではないですか。空っぽになった自分の心に、神の御心を満タンに入れてもらうためにです。彼には、辿り着いたトロアスが、神の準備されていた伝道旅行の本当の出発点となるのです。

 そういうトロアスの海岸で、でした。彼は、もう駄目だと思う自分を呼ぶ、小さな声を聞いたのです。九節「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」と。今パウロは、神の計画への招きを耳にしているのです。それは、「今までたくさん挫折して来た故に気遅れすることも分かっている。まだ準備もできていませんと言いたいだろう。しかし、“渡って来て”と聞こえるだろ。“助けて”という隣人の声が聞こえるだろ。それが私の計画だから、躊躇の海を渡れ」ということであったのです。

 私どもも、神が救いたいと願っておられる隣人の「渡って来て」と呼ぶ声を聞くゆえに立ち上がるのです。あとは神様がなさいますから。
posted by 相模原教会ウェブページ管理委員会 at 17:48| 主日説教要約