2011年05月31日

第7章 賛美


歌と人生
 歌の好きな人は多いと思います。カラオケは依然として高い人気を誇っています。歌は幼稚園・保育園から教えられますし、歌を教えない学校はありません。
 歌の種類もとても多く、子守唄・童謡から唱歌、クラシック、ジャズ、ポップス、ハワイアン、歌謡曲から浪曲、民謡その他無数にあります。世界中の民族に必ず民族特有の歌があります。
 さらに組織・団体・共同体にも歌は必須のアイテムです。国歌をはじめとして校歌、社歌、応援歌など、その群れに属する人々にとってはなくてならないものです。
 歌は人間とその共同体にとってなくてはならないものです。どういう歌を歌うかによってその人の人生が決まると言っていいほどです。
 宗教もまたそれぞれの歌を持っています。歌こそはその宗教の本質を表現したものです。聖書にも数え切れない程多くの歌が記載されています。その中には嘆きの歌や悲しみ、怒りの歌などもありますが、そのほとんどは神を賛美した歌です。
 神を賛美する、これこそは罪ゆるされた者の生き方です。旧約聖書の詩篇108篇1〜4節に「神よ、わが心は定まりました。わが心は定まりました。わたしは歌い、かつほめたたえます。わが魂よ、さめよ。立琴よ、琴よ、さめよ。わたしはしののめを呼びさまします。主よ、わたしはもろもろの民の中であなたに感謝し、もろもろの国の中であなたをほめたたえます。」(口語訳)とありますように、救われた人生とは「神を賛美することに心が定まった人」のあり方を言います。言い換えるとついに「賛美をささげる神と出会った人」、それが信仰者なのです。

神をたたえて琴を弾くダビデ王。
Bray, Jan de『David Playing the Harp』(1670)

信仰と賛美
 新約聖書を見ますと、エフェソの信徒への手紙1章12節「それは、以前からキリストに希望を置いていたわたしたちが、神の栄光をたたえるためです。」、14節「この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証であり、こうして、わたしたちは贖(あがな)われて神のものとなり、神の栄光をたたえることになるのです。」とありますように、私たちがキリストによって選ばれ、罪ゆるされたのは「神をほめたたえるため」であるのです。神とキリストを賛美するために私たちはキリスト者とされるのです。
 使徒パウロは自分の人生についてこのように言っています。フィリピの信徒への手紙1章20節「そして、どんなことにも恥をかかず、これまでのように今も、生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストが公然とあがめられるようにと切に願い、希望しています。」。まさしく自分の人生は「キリストがあがめられるため」だとの信念があらわされています。しかも自分の人生を見て他の人がキリストを賛美するようになることを祈り願っていく人生、それこそ伝道ということだと身をもって教えています。


マルティン・ルター自筆のコラール

教会と賛美
 教会もその最初から賛美とともにありました。中世になると近代音楽の基礎となるグレゴリオ聖歌がつくられました。宗教改革者の時代には、ルターが母国語で新しい讃美歌をつくり、カルヴァンは詩編歌を重んじました。その後、優れた讃美歌作者が次々と現れて多くの良い讃美歌がつくられます。18世紀メソジスト運動の担い手のひとりチャールズ・ウェスレーも多くの讃美歌を残しています。そして、アメリカの黒人霊歌や現代のゴスペルにいたるまで多様な讃美歌が生まれ、歌われてきました。日本の教会も優れた讃美歌を生み出しています。

讃美歌の歌い方
 さて讃美歌の歌い方ですが、まず意識したいのはなるべく下の方(讃美歌集)を見ないことです。神さまを賛美して歌うのですから、下を向いて歌ったのでは「賛美」の雰囲気が出てきません。次は出来るだけ口(唇)を大きく開いて歌いたいと思います。何を歌っているのかわからないのでは賛美とならないからです。音程やリズムをあまりひどくはずしてしまうとまわりに迷惑をかけてしまいますが、しかしこれも必要以上に気にかけない方が良いと思います。神さまは上手な歌を望んでいるのではなく、真実な心(・)の(・)こ(・)も(・)っ(・)た(・)賛美を望んでおられるのです。
 また私たちは「共に」賛美するという意識を常に持っていたいと思います。それは「体は一つ、霊は一つ」「主は一つ、信仰は一つ」(エフェソの信徒への手紙4章4〜5節)といわれる「一つの恵み」にあずかるためです。歌が上手な人もそうでない人も心を合わせて「一つなる主をあがめる」気持ちで賛美したいと思います。

(発行) 日本基督教団 福音主義教会連合    [転載不許可]
(編集) 伝道研究委員会
私たちの教会は、世界神霊統一協会(統一教会)、ものみの塔、モルモン教会などとは一切関わりがありません。
posted by 相模原教会ウェブページ管理委員会 at 00:00| 『これが知りたい12章』2