2011年05月31日

第6章 聖書の読み方


「わかってはいるけれど……」
 「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です」(テモテへの手紙二3章16節)。
 クリスチャンであれば誰しも、聖書を毎日読むことの大切さは、よく分かっているでしょう。しかし、多くの方が聖書を読むことを習慣とすることができずにいます。その理由はいろいろあるでしょうが、大雑把に言うと、読んでもよく分からない、つまらない、退屈である、と感じて投げ出してしまうことが多いようです。そこで、ここでは、聖書を読むのが楽しくなる「コツ」について、少しお話してみたいと思います。


聖書を読むために必要なもの
@まとまった少しの時間
 ある統計によると、平均的なクリスチャンが聖書を読む時間は就寝前の3分だそうです。しかし3分では少な過ぎるでしょう。一日のうちどこかで15分程度、他のいろいろなことに邪魔されることなく聖書に集中できる時間を毎日作ってください。
Aノート
 その日に読んだ聖書の箇所から示されたことや、考えさせられたことなどを書きとめてください。後で読み返した時、霊的成長の貴重な記録となるでしょう。


Gogh, Vincent van 『Still Life with Open Bible』(1885年)。

一日にどのくらい読めばいいか
 聖書は、旧約が929章、新約が260章、合計1189章あります。ですから、一日一章ずつ読むと約三年で聖書全巻を通読、一日三章ずつ読むと約一年で通読することができますが、あまり難しく考えずに、無理のないペースで読むのがいいでしょう。

聖書を読む具体的なステップ
@祈る
 聖書の著者は神様ご自身です。ですから、何はさておき神様に「私に聖霊をお遣わしください。そして、今から読む聖書の箇所の意味を私に示してください」と祈ってから読み始めることが絶対に必要です。
A何が語られているのか? 
 聖書は、何千年も前に書かれたものですので、現代の私たちには理解しにくい箇葉もあります。そこで、書かれていることの意味を、時代や文化の背景を踏まえつつ正しく理解することが必要です。しかし、私たちはさらにそれを越えて、その聖書の箇所に書かれている、普遍的な、すべての時代の人に対して語られている永遠のメッセージは何であるかを読み取らねばなりません。その聖書の箇所で、何が語られていますか?
 • 告白せねばならない罪? 
 • 信頼するべき約束や真理? 
 • 従うべき命令? 
 • 見習うべき実例? 
 • 避けるべき誤り? 
 • 神を賛美するべき事柄?
 • 人生の真理?
 • 試練の克服?
Albrecht Durer『Praying Hands』(1508年)。

Bいまのきもち
 最後に、そうして示された事柄を念頭に置きつつ、「この聖書箇所は、今の自分に対して何を語っているだろうか」と問うてみてください。最初は、聖書の言葉と今の自分とを結びつけるのはなかなか難しいかもしれません。しかし、慣れてくると、聖書を読む時間が「今日はどういうことが示されるだろうか」とワクワクしながら待つ、楽しい時間になることでしょう。


Gerard Dou 『Old Woman Reading a Bible』(1630年)。

持っていると役立つ本
@引照つき聖書 
 関連する聖書箇所を参照することは、「聖書をして聖書自身を語らしめる」ために大いに役立ちます。
Aスタディ・バイブル
 最近、新共同訳版のものが出版され、今後種類も増えていくことでしょう。
B違う種類の聖書翻訳
 新共同訳、新改訳、口語訳、文語訳、リビングバイブルなど、自分の教会で使っている以外の聖書を読み比べてみると、いろいろな発見があるでしょう。
 他にも、コンコルダンス、聖書略解、聖書ハンドブック、様々な注解書など、必要に応じて、また財布と相談しながら揃えていくとよいでしょう。
 最後に、聖書を毎日読むことの励ましになるイエス様の言葉を一つ紹介しましょう。「私の言葉にとどまるならば……あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする」(ヨハネによる福音書8章31-32節)。

(発行) 日本基督教団 福音主義教会連合    [転載不許可]
(編集) 伝道研究委員会
私たちの教会は、世界神霊統一協会(統一教会)、ものみの塔、モルモン教会などとは一切関わりがありません。
posted by 相模原教会ウェブページ管理委員会 at 00:00| 『これが知りたい12章』2