2011年04月18日

第4章 イエス・キリスト


[浦上天主堂 入り口上部]


イエス・キリスト
 イエス・キリストとは一体何者なのか?これは古代の教会からいろいろと議論されてきました。教会にとって、イエス・キリストが何者なのかは、とても重要な問題です。聖書によるならば、イエス・キリストとは、人間のために人となり、地上に来てくださった神です。真の神が真の人として地上に来られたというのです。では、神はなぜ「人間のために」地上に来られたのでしょうか?

あなたの友となるため
「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。わたしはあなたがたを友と呼ぶ」(ヨハネによる福音書15章13〜15節)。
 人間同士の友人関係とは、互いの信頼によって成り立っています。信頼が強くなればなるほど、その友情は深められより固い絆(きずな)がむすばれます。しかし、私たちは友人関係が壊れたり、途絶えてしまうことをしばしば経験するのではないでしょうか。裏切りや互いが離れていくことによって、いとも簡単に信頼は壊れることがあるのです。そして、一度壊れた信頼はなかなか元には戻りません。例え生涯壊れることがない信頼であったとしても、友人関係とは、永遠に続くものではありません。なぜならば、人は必ず死を迎えるからです。
もし、決して死ぬことのない存在、そして決して裏切ることのない存在が私たちの友でいてくれるならば、どんなにか心強いことでしょうか。聖書の中で、キリストは自ら語っております。私はあなたがたを友と呼ぶ、と。それは、キリストが私たちの友となるために地上に来てくださり、私たちを友として迎えていてくださっているということです。私たちがまだ友としてキリストを迎える準備が出来ていなくても、キリストはすでに私たちを友と呼んでくださいました。決して裏切ることがなく、決して死ぬことのない友が私たちにはいるのです。


Andrea del Sarto 『Christ the Redeemer(あがない主キリスト)』
手の甲に十字架の傷跡がはっきり見える。


あなたの罪を赦すため
 あなたは、親しい友人とケンカをしたことがあるでしょうか。ケンカを解決し和解するためには、当人同士が許しあうことなしに、本当の和解は成立しません。また、そのケンカの原因が重大であった場合には、悪かった当人によって何らかの犠牲が支払われる場合もあります。
人類は、歴史の中で神との信頼関係を壊してきました。つまり、神とケンカをしてきたのです。そして、この関係が修復されるためには犠牲が必要でありました。この時、犠牲を支払ったのは神ご自身であったのです。神が悪かったからではありません。犠牲を払いきれない人間のために、神が人間となって犠牲を支払ってくださったのです。キリストが人間となって、命を犠牲にされたのです。
キリストは、私たちを友と呼ぶ時に、「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。」と語られました。真の神であり真の人であるキリストの十字架にこそ、私たちの友であるキリストの愛があるのです。

あなたの重荷を負うため
 日々の歩みの中で、疲れやストレスをいつも抱えながら私たちは生活しています。時には、それらが重荷となって私たちを追い詰めることもあるでしょう。あなたは、その様な時一体どうするでしょうか?
重荷に押しつぶされて、もはや自らの力で立ち上がることも出来ない私たちに向かって、キリストは「わたしの軛(くびき)を負いなさい。わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」(マタイによる福音書11章29〜30節)といわれます。負いきれない重荷を抱えていながら、キリストの重荷を負うのは、一見自殺行為のように思われます。
しかし、キリストが生きておられた時代の軛(くびき)とは、一つの軛を二頭の家畜が背負うのが一般的でした。「わたしの軛を負いなさい。」とは、一人では負いきれない重荷をキリストが共に背負ってくださる、と言うことです。キリストは、私たちの負いきれない重荷をすべて消し去ることも出来る方ですが、そのようなことは決してなさらず、私たちの重荷を共に背負い、共に運んでくださる友であるのです。
真の友となってくださったキリストにすべてを信頼し、キリストと共に生きる歩みとは、なんと心強く、なんと安らぎに満ちているのでしょうか。あなたがキリストと共に歩むことをキリストは待っておられます。


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posted by 相模原教会ウェブページ管理委員会 at 00:08| 『これが知りたい12章』