
[教会の塔]この塔は、何よりも天に向かって垂直に立つ塔として、創造主でいたもう神を指し示しています。この塔を見上げるごとに、目を地上から天に、また塔の先端の十字架に向けるのです。
教会には、誰が来るのですか
あるクリスチャンが高校時代、友人に「僕は教会に行っているんだ」と言って、ビックリされたことがあります。友人はどうしてビックリしたかと申しますと、「お前みたいな悪ガキが教会に行っているなんて」ということでした。それを聞いて、今度はそのクリスチャンほうがビックリ。
教会に集まる人は、あなたの隣で笑ったり泣いたりする学校の親しい友人であり、会社の同僚や近所のおばさん、親戚のおじさんであることも。どこにでもいる普通の人が教会に来ているのです。私はここに、キリスト教の教会の特徴があると思うのです。
教会は、誰のためにあるのですか
教会はエルサレムに生まれ、そこから世界中に広がっていきました。それは、単に地理的なことを意味するのではありません。人である限り誰もが持っている、だれかに自分を丸ごと受け止めてもらいたいという渇望、そしてそれに応えることが出来るお方への憧れ。そういう人間の根源に教会は届いていった結果、世界中に広がったのです。教会はあらゆる人の存在の根源に浸透していく普遍性があるのです。
教会は、誰が建てたのですか
そこで改めて「教会って何だろう」と考えてみました。教会とは、「同じ信仰を持っている者が、一緒にいた方が何かと便利だろう」と言って集合して出来たものなのでしょうか。もしそのようなものなら、社会のどこにでもある、同好会やクラブや政治結社と違わないことになります。
教会は、<人間が>つくろうと言って始まったのではないのです。<神様が>決意されて地上に建てられたものなのです。ですから教会とは、<上から>のものであり、それが本質であるのです。

Vincent van Gogh 『The Church at Auvers(オーヴェールの教会)』 (1890年)自ら死を選ぶまでの2ヶ月の間、ゴッホはオーヴェールで70点もの作品を残しました。これはオーヴェールの丘の中腹にある教会の風景。彼の画家としての心象風景を感じさせる名作です。この教会は12〜13世紀のローマン・ゴシック建築。

教会は、「聖なる教会、聖徒の交わり」
神様が私たちにしてくださった救いとは、一体どんなことなのか、それを要約したものに『使徒信条』という文書があります。世々の教会は、これを大切にしてきました。その使徒信条の中に、教会は「聖なる教会、聖徒の交わり」だと教えられています。
この「聖」という語は、もちろん「きよい」という意味があります。でもそのもともとの意味は、「とっておく」、「神様のために取り分ける」ということです。ですから「聖徒」というのは、神様のものとされたと人々ということです。その人がきよいとかきよくないということよりも、神様のものとしてその人が特別扱いにされているということが第一の意味なのです。そのような神様に取り分けられ、神によって招かれた者たちの群れが、「聖なる教会」であるのだというのです。きょう教会に集まった私たちも、その招きにあずかった一人であると信じて喜んでよいのです。
「神は真実な方です。この神によって、あなたが
たは神の子、わたしたちの主イエス・キリスト
との交わりに招き入れられたのです。」
(コリントの信徒への手紙一1章9節)
教会は、聖なる教会として、また聖徒の交わりとして、神によって2000年間立ち続けてまいりました。それを知る時、「教会がそんな壮大なところだったら、ここに来ても私など端っこにいるしかないかも」と、遠慮されるかもしれません。でも、あなたが今ここにおられるのは、何よりも神様が名指しで、「あなたも神の御子イエス・キリストとの交わりに入るのだよ」と招いてくださったということです。そのようにして、キリストに結び付けられた人々の群れの中に、今あなたがおられる。ちゃんと主によって、前もって準備された座におられる。そのことが既に素晴らしいことなのです。そのまま受け取ってよいのです。

Rembrandt van Rijn 『Christ Preaching (イエスの説教)』(1652年)
このエッチングには、イエス・キリストに招かれた多くの人々が描かれています。そこで皆、主イエスの語られる言葉に耳を傾けている様子がわかります。この主イエスを中心に、まことの交わりが生まれるのです。
このエッチングには、イエス・キリストに招かれた多くの人々が描かれています。そこで皆、主イエスの語られる言葉に耳を傾けている様子がわかります。この主イエスを中心に、まことの交わりが生まれるのです。
(発行) 日本基督教団 福音主義教会連合 [転載不許可]
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